その1 ニキシー管VUメーターを作ろう!

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ニキシー管VUメーターの製作過程を記事にしてみました。物がもうできあがっちゃってますので製作過程の写真が無いのが残念ですが、 製作の過程を文章で残したいと思います。

・手っ取り早く回路が見たい方はこちら・・・ VU_rev3.CE3.pdf

・動画がみたい方はこちらへ...  「ニコ動」 「YouTube」

それではつたない文章ですが、おつきあいいただければと思います。

(1) まず、VUメーターって?

VUメーター(VU Meter)とは音響機器に於いて音量感(volumeunit)を指示するための測定器である。 VUメーターは1939年にベル研究所及びCBS、NBCにより電話機の基準レベルを監視するために開発された。 (wikipedia より抜粋)
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VU メータ

しかし、これがある生活は楽しいw
(機会があったら、針のメーター版のVUメーターの製作記事もやりたいですねぇ)

(2) で、ニキシー管とは何だ?

ニキシー管(ニキシーかん、Nixie Tube)は数字あるいは文字・記号の情報を表示する一種の冷陰極放電管である。 (wikipedia より抜粋)

まあ、ネオンランプの一種ですね。最近(ちょっと前か?なんかのアニメの影響らしいが)これで時計を製作するのがはやっていました。 そのころから興味自体はあったのですが、いまさら作るのもあれかなぁ・・・と放置していました。

 さて、少し時は流れネットを徘徊していますと変わり者のニキシー管を発見しました。
それがこれです・・・

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バーグラフ用ネオン管ロング IN-9
Nixie tube.com
http://nixie-tube.com/
ここが売っているお店です。ちなみに普通のニキシー管とかもたくさん売ってます。 (何回か利用させて貰いましたが、発送も迅速でとても良い店です。)

なんとバー表示なのです!

「どういう原理なのかはさっぱりが、これは面白そうなものが作れそうだ・・・」 と、確信しましたよ!! まあ、以前からVUメーター製作にこっていた私は、当然のように「VUメーター」を作ってみることにしました。

世の中同じ事を考える人がいるもので「ニキシー管VUメーター」でググって見たら数件記事があるようです。 その方は海外の通信販売を利用して購入したらしいです。 「しめた!国産がないようならまだ私にもチャンスがあるかも?」 と思い自作することにしました。(まあ、すでに国産で作った方がいるかもですが・・・w)

(3) これを点灯させるには?

さて、私は真空管とかニキシー管とかは素人なので、まず点灯方法を調べなければなりません 先ほどのニキシー管を販売しているページには以下の説明がありました。

この管でバーグラフを実現できます。
100V 3~10mAを流すことによって、とてもスムーズな動きを見ることができます。
このアナログ感を是非、体感してみてください!

ふむふむ・・・なるほど100[V]程度の電圧をかけて電流制御する回路を作ればいいわけだ。 電圧が高いことを除けば、そう難しくありません。問題は100[V]を得る方法です。

(4) 100[V]以上の電圧を得る方法

さて、みなさん!
100[V]以上の電圧を作る必要があるのですがどうしますか?
実際の所、私も100[V]なんて電圧を電子回路で扱ったことはほとんどありません・・・。

案1. そーい!で、100Vをそのまま整流!

一番簡単な方法です。コンセントのAV100[V]を整流すれば、簡単にDC141[V]を得ることができます。 ただし、感電の危険がありますので小型の絶縁トランスを使用するのがベターです。 しかし、その場合どうしても装置が大きくなってしまいます。

実はこれを最初に買って実験しました。確実に141[V]を得ることができますので、大きさを気にしないならばおすすめです。

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具体的には「Z11-005A」という絶縁トランスでマルツで売ってます。 http://www.marutsu.co.jp/shohin_6875/

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案2 やっぱりDC/DCコンバータがいいね!

実際の所、ニキシー管の電源によく使用されているのは「DC/DCコンバーター」です。 DC/DCコンバータの原理は割愛しますが、DC12[V] から DC150[V] を比較的簡単に得ることができます。 ・・・できるはずだったんですw

さてさて、ここは先達の知恵を拝借しましょう・・・。「ニキシー管 DC/DC」とググれば、 使えそうな回路がいっぱい出てきます。よく使用されているのは「NJM2360」というICらしいです。

いきなりオリジナル回路作っちゃう方もいますが、まずはネット上の回路を参考にするのが良いと思います。 すごい方がいっぱいいますので・・・ ちなみに↓は NJM2360 のメーカーサイトへのリンクです。
http://semicon.njr.co.jp/jpn/product/power_management_ic/switching_regulator/NJM2360.html

お手本回路とアプリケーションノートに一通り目を通し、早速回路を試作してみます。 DC/DCの設計条件としては、ニキシー管を2本駆動するために以下のようにしました。

出力電圧 : 150[V]
出力電流 : 30[mA]
出力電力 : 4.5[W]

回路例は、ネット上のお手本回路や、アプリケーションノートをご覧ください。 まあ、皆さんが気になるのはコイルとタイミングキャパシタでしょう。 まずは、お手本に習い以下のようにしました。

トロイダルコイル200[uH]/9[A] (秋月電子)
(→のコイルです。やっぱ基本トロイダルでしょ!)

Ct : 積層セラミックコンデンサ 470[pF]
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さて、基本的な導通チェックを行い通電です!

「おお!」

あっさりと150[V]でました。 うーーーん、便利な世の中になったものです。

さて、負荷としてニキシー管の変わりにダミー抵抗10[kΩ]/3[W]を接続してみます。

「あるぇ~?」
「電圧が130[V]に下がったぞ・・・」

うーん・・・いやな予感・・・。

次にニキシー管もう一本分、ということで10[kΩ]を追加して5[kΩ]にします。
(150[V]ですので30[mA]負荷です。)

「あちゃーーー、電圧が100[V]まで下がりやがった・・・」

コイルに触ってみると、異常に熱い!
「うっ、あちっ!!!」って声が出ましたよ(70~80[℃]くらいかね)。
間違いなくインダクタが飽和してますw

とりあえず、Ctを1000[pF]にして発振周波数を下げれば、5[kΩ]負荷でも電圧は130[V]程度まで確保できるものの、 コイルの発熱がひどくて安心して使うことはできません。 しばらく、あーだこーだ回路を調整しているとき、オシロのプローブでいけないところを短絡してしまい・・・

「アッ!!」
「 ・・・・・・ 」

(´・ω・`)

壊しました・・・ しょぼーんです。
(部品の配置が悪かったんですね、FETのゲートに150[V]を突っ込んでしまいましたw)

「 ・・・・・・・・ 」


「しょうがねー、2個入れるか・・・」

でたーーーー!!
必殺、妥協です・・・w

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